両親がまだ40代の頃。関東一円の霊園を巡って自分たちのお墓をどこに建立するか探し回ったそうです。まだバブル前の時代です。ようやく満足のいく霊園と出会って契約しました。その間、契約した区画は更地のまま放置していたそうです。その10年後に母が亡くなりました。そしてその区画に立派な墓石が建立されました。自宅からほど近く便利な立地です。霊園そのものが高台にあって、景色もとても綺麗で母が安らかに眠っている場所は事務所からも近く園内の一等地でした。お墓参りする我々にも負担の軽い場所です。しかもこの一等地に周囲の中で圧倒的な面積があります。平均的な区画の4倍はあるのではないでしょうか。バブル前に霊園探しをした両親の先見の明には本当に頭が下がります。母が亡くなってこのお墓やお墓探しの話を目の当たりにした親戚一同は目が覚めたかのように霊園探しをはじめました。バブル後の話です。もう関東に良い立地の霊園はほとんど残っていなかったそうです。そして価格相場もバブル前とは比較にならないほど高価なものになってしまったようです。都内に住む叔父と叔母夫婦がやっと見つけたのは、マンション型の霊園でした。ボタンを押すと位牌と遺骨が出てきてお参りする。昭和の頃には考えられなかったお墓のスタイルに変化してきているようです。しきたりを重んじる家はそういう選択をしないと思いますが、多くの現代人は違和感を覚えつつも現実的な対応として叔父叔母夫婦が選んだ選択肢と同様の行動をとるのではないでしょうか。事実、私もそうなると思っています。そして現実的にこのようなスタイルが主流になっていくように思います。これも時代の変化と思っています。良い悪いの話ではありません。これから10年先、20年先はどう変化していくのか想像もできません。核家族化が進むと言う事は、それだけお墓の数が増えるという解釈もできます。このマンション型の先にどういう姿になるのでしょうか。想像ですが、地域の共同墓地とか親戚一同の合同墓地が増えていくような気がしています。今まで日本では「家」単位のお墓でしたが、これからはそうも言っていられないような気がしています。私自身は次男なので旧来であれば自分のお墓をどこに建立するのか自分で探さないといけません。しかし現実的には母の眠るお墓に入れてもらおうと思っています。もちろん父親や兄夫婦の了解を得ない事には実現できませんが。